東京都は6月16日、国内外のカーボンクレジット取引できる「東京都カーボンクレジットマーケット」において、第1号となる取引が成立し、富士瓦斯(フジガス/東京都世田谷区)が購入したと発表した。プロジェクト種別は「J-クレジット」で、購入量は114トン。
自社運用トラックの燃料にバイオディーゼル燃料使用
フジガスが手がけるプロジェクトは、軽油からバイオディーゼル(BDF)燃料への転換を図り、CO2削減につなげるというもの。国内企業が、修理工場などにバイオディーゼル燃料(BDF)精製・製造のための装置を導入し、近隣の飲食店150店舗から回収した廃油を用いてBDFを精製、同社が保有するトラックの燃料として使用する。
購入したクレジットは、2025年3月から2026年2月までの期間、自社における本社・充填工場やLPガス車両で使用するLPガスや電気によるCO2排出量の推定値を算出し、合計114トン分のカーボンオフセットを実施する予定だ。なお実績値が推定値を上回った場合は、追加でカーボンオフセットを行う。
同社は、1954年の創業以来、LPガス・ガス器具や家庭用・業務用LPガス販売事業を展開するとともに、全国47都道府県をカバーするLPガス全国供給ネットワークを構築している。また、東日本大震災以降は災害に強いLPガス発電機の普及に取り組むほか、LPガスの利用において発生するGHGをカーボンクレジットを用いてオフセットした「フジガス・カーボンニュートラルLPガス(FCN-LPG)」販売や、カーボンオフセット商品の販売支援、クレジット販売から創出までをサポートするワンストップサービス「フジガス・カーボンニュートラルプラットフォーム(FCNプラットフォーム)」を提供している。
J-クレジットのほか、ボランタリークレジットも取り扱う
「東京都カーボンクレジットマーケット」は、カーボンクレジットを創出・販売する供給者とCO2排出量を削減したい企業などの需要家をつなぐ都独自のマーケットで、3月25日に運用が始まった。
利用対象者は都内中小企業、任意団体など。利用登録料・システム利用料は無料で、参加登録用フォームで利用登録の申請が行える。取り扱うクレジットは、日本政府が認証する「J-クレジット」と民間の第三者機関が認証する「ボランタリークレジット」の2種類。後者については、CCPラベルのあるクレジットや格付け機関から評価を受けたクレジットなども取り扱う。

「東京都カーボンクレジットマーケット」での取引イメージ(出所:東京都)
【参考】
東京都―第1号取引成立! 東京都カーボンクレジットマーケットにおける取引成立
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/b650bbe1-517d-4be5-bd7a-c04b68c07d18