大気汚染対策、気候変動との相互作用など知見共有へ 日中韓会合

環境省は7月17日、第12回「大気汚染に関する日中韓3カ国政策対話(7月10日・11日開催)」の結果を公表した。今回の政策対話では、3カ国の大気環境管理の政策などについて情報交換したほか、政策対話の次期5カ年行動計画についても協力していくことを確認した。

大気環境管理政策などについて意見交換

政策対話では、専門家からのワーキンググループ会合の報告や最新の大気質管理政策について、各国のプレゼンテーションや意見交換が行われた。

日本は、大気環境の現状と政策措置、光化学オキシダント(オゾン)の環境基準の再評価、衛星による二酸化窒素(NO2)の観測について解説した。韓国は大気質管理政策について、中国は大気汚染の防止と管理の現状に関する発表を行った。

意見交換では、対流圏オゾンの発生源がアジア地域や北半球全体に起因していることを踏まえ、今後は3カ国が知識と経験を共有し、連携して対策を進めることの重要性を確認した。

また、今期5カ年行動計画(2021〜2025)を振り返り、大気質改善において相当の進捗があったとし、次期5カ年(2026~2030年)行動計画については以下の取り組みを進めることで一致した。

  • PM2.5やオゾンの生成メカニズム、制御に向けたアプローチに関する知識・経験の共有や意見交換の促進
  • 大気環境と気候変動との相互作用に関する科学的知見や、それに基づく統合的な管理手法の共有
  • 大気環境のモニタリングの効率化やモデリングの精緻化などに向けた地上観測と衛星観測を相補的活用
  • 東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)などの国際枠組みを通じて、同会合の成果を3カ国以外にも共有・拡大する

オゾン制御の最新研究をテーマとしたWGも開催

政策対話に先立って開催されたワーキンググループ(WG)会合では、「北東アジアにおけるオゾン制御にかかる最新の研究」をテーマに、3カ国の専門家間で情報共有や意見交換が行われた。

共通課題としては、オゾンの発生要因の研究や前駆物質である窒素酸化物(NOX)、揮発性有機化合物(VOC)の対策などが挙げられ、大気汚染物質とCO2の統合的管理や衛星観測の活用などについて意見を交わした。

日中韓が越境的な大気汚染対策で協力

環境省は、2013年の第15回日中韓3カ国環境大臣会合(TEMM15)での合意に基づき、毎年「大気汚染に関する日中韓3カ国政策対話(TPDAP)」を開催している。

次回の政策対話は、2026年に中国で開催される。

【参考】
環境省―第12回大気汚染に関する日中韓三カ国政策対話の結果について

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/c51fe5de-ed61-4c96-8e2f-eb837f661968

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