カネカ(東京都港区)は11月17日、高砂建設(埼玉県蕨市)と共同で、さいたま市が公募した「脱炭素街区を形成する事業」に取り組むと発表した。ZEH住宅やオンサイトPPAを活用した地域循環共生型の都市エネルギーモデルを構築する。2028年3月の完成を目指す。
2社共同で公募、最優秀提案者に
さいたま市は、2022年に「脱炭素先行地域」に選ばれ、2050年までの「ゼロカーボンシティ」実現に向け、先進的な取り組みを推進している。今回の事業はその一環で、ZEH住宅を必須とした脱炭素街区の形成を通じ、ゼロカーボンシティの推進を図る。
8月に公募型プロポーザルにより事業者を募集し、カネカと高砂建設の共同提案が、最優秀提案者に選定された。2社は、さいたま市浦和東部保留地を活用し、ZEH住宅を必須とした「脱炭素街区」を形成する。
ZEH住宅には、カネカの太陽電池および自然エネルギー活用技術を採用。夜間など自家発電のみで電力需要を満たせない場合は、さいたま市内の工場屋根等を活用したカネカのオンサイトPPAサービスによる電力利用によって補完することで、再エネ100%の脱炭素街区を実現する。
さらに、植栽を多用した街区の景観保全や県産材による木造住宅の推進なども実施し、地域循環共生型の都市エネルギーモデルの構築に取り組むという。

スキーム図(出所:カネカ)
2025年に土地引渡し、完成は2028年3月予定
今後、2025年度中にさいたま市との間で土地売買契約の締結、土地の引渡しを実施。2028年3月に同街区の完成を予定している。カネカは、モデルケースとして他地域への水平展開も視野に入れており、「クリーンで持続可能な資源とエネルギーを使える社会の実現に取り組む」という理念の下、本取り組みを通じて地域社会への貢献を強化する。
【参考】
さいたま市―さいたま市脱炭素先行地域事業における脱炭素街区形成事業に関する基本協定を締結しました
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/5621887a-0bd7-4087-9740-2c4f67eb8fef