気候変動対策における「適応」の必要性を8割以上が実感 電通調査

電通(東京都港区)は11月18日、15~79歳の男女1400人を対象に、第17回「カーボンニュートラルに関する生活者調査」を実施し、その結果を公表した。

調査によると、カーボンニュートラル(CN)実践に前向きな層は2年間で7ポイント上昇し、認知度や必要性の認識も高まっていることがわかった。また今回、気候変動対策に「適応」が必要だと思う人は8割を超えた。

CN「前向きに取り組む層」は23.8%、教師・大企業など特定層で高い傾向

今回の調査では、対象者1400人に加え、属性別で分けた16の層(3993人)に追加調査を実施した。

4つのセグメント(「前向きに取り組む層」「別のモチベーションが必要な層(メリット・インセンティブなど)」「同調圧力で動く層」「主体的に動かない層」)を抽出した結果、カーボンニュートラルに対して「前向きに取り組む層」は23.8%で、周囲の行動割合に関する質問を初めて聴取した第11回調査(2023年6月実施時16.8%)から7ポイント上昇した。

セグメント別の割合(出所:電通)

セグメント別の割合(出所:電通)

特に、「教師(小中高)」「大企業(従業員数300人以上)の経営層・管理職」「投資活動を行っている層」「世帯年収1000万円以上」「高校生」などの特定の層は、8割を超え、全体より10ポイント以上高い結果となった。

この結果について、同社は、ビジネスと気候変動の関連性が強まっていることや教育現場での気候変動に関する教育の浸透があると解説している。

CN・脱炭素社会の実現に向け、取り組むことは必要性?(出所:電通)

CN・脱炭素社会の実現に向け、取り組むことは必要性?(出所:電通)

「緩和と適応」の認知度、前回調査から約7ポイント上昇

「気候変動対策には、緩和と適応があること」の認知率(「確かに知っている」と「見聞きしたことがある」の合計)は、53.4%で、前回調査(46.6%)から6.8ポイント上昇した。世代別では、70代(69.1%)が最も高く、次いで、15~19歳(62.5%)が続いた。

「気候変動対策には、緩和と適応があること」の認知度(出所:電通)

「気候変動対策には、緩和と適応があること」の認知度(出所:電通)

気候変動による影響に対処し、被害を軽減する「適応」に関して、今後取り組む予定があると回答した人は「緩和」よりも5ポイント高かった。また気候変動対策の取り組みとして、「適応」が必要だと思う人は8割(82.9%)を超え、特に70代・60代・15~19歳で強い傾向が見られた。

すでに生じている、または将来予測される気候変動の影響による被害を回避・軽減させる「適応」は、熱中症対策など「自分ごと」として身近に考えられるものが多く、気候変動の影響が大きくなる中で、「適応」への関心が高まっていると、同調査は分析する。また今後は、気候変動の原因をできるだけ抑えるための「緩和」を含む気候変動全体への関心を高めることが、気候変動対策を推進する上で有効なアプローチとなると指摘している。

気候変動対策の取り組みである「緩和」の実施意向(出所:電通)

気候変動対策の取り組みである「緩和」の実施意向(出所:電通)

約7割が、脱炭素などに配慮した映像作品に共感

近年は、スタジオにおけるバーチャル撮影やスタジオや機材で使用する電力を再エネで賄うなど、映像作品の制作において、脱炭素やカーボンニュートラルに配慮した形で作られる作品が増えている。そこで、脱炭素やカーボンニュートラルに配慮した形で作られる映像作品(映画や番組など)をどう思うかを聞いた。

その結果、「取り組むべきである」「共感する」「重要である」と考える人はいずれも約7割となった。

環境に配慮した映像作品制作への印象(出所:電通)

環境に配慮した映像作品制作への印象(出所:電通)

電通では、日本におけるカーボンニュートラルに関する認知・理解や興味・関心などの現状を把握や今後の浸透策の検討を目的に、同調査を継続的に実施している。今回の17回調査は、8月15日~8月18日にかけて、インターネットで実施したもの。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/92c797ae-2a45-4374-afd4-51e90c614e7b

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