伊藤園(東京都渋谷区)は11月26日、「茶殻」を活用した循環型農業の推進と、「バイオ炭」の農地への施用実証試験の取り組みについて公表した。埼玉県入間市の契約茶園農家・首都圏アグリファームにおいて、10月から本格的に開始。隣接する埼玉・群馬エリアでの資源循環とGHG排出量削減を同時に実現する先進的でサステナブルなビジネスモデルの構築を目指す。
「茶殻」を隣接する群馬県内で肥料化、茶の栽培に活用
なお、国内有機肥料メーカーの先駆けである朝日アグリアは、国内資源循環や堆肥活用をテーマに取り組んでおり、生産者が使いやすい粒状肥料化のスペシャリストとして高品質な肥料を生産する。
バイオ炭の農地施用実証、温室効果ガス削減も
さらに、地域の未利用バイオマスから生成した「バイオ炭」を、入間市の茶畑に散布する実証試験もスタートさせた。バイオ炭の農地施用は、農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」において、地球温暖化対策の手法の1つとして位置付けられている。
今回の取り組みでは、いるま野農業協同組合(JAいるま野/埼玉県川越市)が所有する未利用バイオマスを活用し、首都圏アグリファームの茶畑で散布・栽培。実証試験で得られた炭素貯留効果は、フェイガー(東京都千代田区)によりカーボンクレジット化・収益還元を一貫して進める予定だ。

スキーム図(出所:伊藤園)
環境配慮型工場と循環モデルで、総合的なサステナビリティ実現
茶葉は、茶畑で摘んだ生葉を新鮮なうちに「荒茶工場」において、「蒸す・揉む・乾燥させる」という1次加工を施す。首都圏アグリファームが所有する伊藤園専用の「荒茶工場」は、国内でもCO2排出量が少ない工場で、生産量当たりのCO2排出量を一般的な荒茶工場と比べて57%削減している。
今回の茶殻肥料活用とバイオ炭施用、そして環境配慮型工場の稼働を組み合わせることで、「地域資源の循環」「化学肥料削減」「GHG排出削減」の3本柱を備えたサステナブルな農業モデルとなる。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/dd11fd22-ad6d-440c-8f88-5f169297b0c7