東京都は3月28日、2050年ゼロエミッションに向けた新たなマイルストーンとして、2035年までに温室効果ガス(GHG)排出量を60%以上削減(2000年比)する新たな目標と、その達成に向けた31の個別目標を設定したと発表した。
2030年カーボンハーフとその先を見据えて、これらの2035年目標を盛り込んだ「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」を策定・公表した。
小池都知事「世界のモデルとなる脱炭素都市へ」
この戦略では、「再生可能エネルギーの基幹エネルギー化」「ゼロエミッションビルの拡大」「水素エネルギーの普及拡大」「サーキュラーエコノミーへの移行」など、取り組むべき10の政策について、「取り組み強化の方向性」と「主な取り組み」を提示している。
また、10の政策において、「再生可能エネルギー電力利用割合を60%以上」「集合住宅への充電設備を12万口」など、2035年における31個の個別目標を設定した。
さらに、「次世代型ソーラーセルの普及拡大」「浮体式洋上風力の導入」「既存住宅断熱倍増」など、特に集中的に取り組むものは「重点プロジェクト」として掲げている。
今回併せて、「次世代型ソーラーセルの普及拡大に向けたロードマップ」を策定し、また、都庁自らが率先して取り組む「ゼロエミッション都庁行動計画」を改定した。東京都では、4月から全国初となる大手ハウスメーカーなどを対象とした太陽光パネルの設置義務化が始まる。この施策をてこに、ゼロエミッションの輪を広げていく。
小池 百合子都知事は3月28日の記者会見で、新たな目標や戦略などを紹介し、「東京のポテンシャルを最大限活用して、新しいイノベーションを生み出しながら、あらゆる取り組みを戦略的に展開して、世界のモデルとなる脱炭素都市を実現していきたい」と述べた。
10の政策と8の重点プロジェクトについて
東京都は、2050年ゼロエミッション東京の実現に向け、2030年までにGHG排出量を50%削減するカーボンハーフを掲げている。カーボンハーフの先の道筋として、2035年の新目標を示した戦略を策定した。この2035年のGHG排出目標は、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が求める「1.5℃目標」に整合する水準となる。
今回の戦略で提示した実効性ある取り組みに向けた10の政策と8の重点プロジェクトは次の通り。

(出所:東京都「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」)
再エネの基幹エネルギー化に向けて
例えば、政策1「再生可能エネルギーの基幹エネルギー化」では、取り組みの方向性として、集積する建物や島しょ地域の広大な海など東京が有するポテンシャルを最大限有効活用し、 技術進展を踏まえながら、需要側、供給側から多様な再生可能エネルギーの導入・利用を加速すること、また、再エネ電力の導入を更に拡大する基盤として、蓄電池の導入やデマンドレスポンスの促進など、都内の電力需要を再エネ電源の調整力に活用できる環境を整備することをあげている。政策1では、2035年に向けて、5つの個別目標を設定している。

(出所:東京都「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」)
重点プロジェクトの「次世代型ソーラーセルの普及拡大」では、都が新たに設定した「2035年までに都内に太陽光発電設備を350万kW設置」するという政策目標の実現に向けて、その導入目標と取り組みの方向性を示すロードマップを策定し、国や事業者と連携しながら普及拡大を戦略的に推進する。
「ゼロエミッション都庁行動計画」について
2050年ゼロエミッション東京を実現する個別計画のうち、「ゼロエミッション都庁行動計画」については、多大なエネルギー・資源を消費する都自身が、自らの事務事業に伴うGHG削減などの取り組みを定めた同計画を改定した。
今回の改定では、計画期間(2025年度~2030年度)において、省エネの推進・再エネの導入拡大などの5分野について、さらに高い目標を設定した。また、新たに公営企業局も対象に加え、都庁全体で率先行動を推進することとしている。なお、前計画期間(2020年度~2024年度)における2023年度の実績はいずれも2000年度比で、GHG排出量33%削減、エネルギー消費量38%削減となった。

(出所:東京都「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」)
【参考】
東京都ー「ゼロエミッション東京戦略 Beyondカーボンハーフ」を策定しました
東京都ー「ゼロエミッション都庁行動計画」の改定について
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/bb96e9c9-4aa8-4cea-8d07-1d0aad70915b