横須賀市、藻場の再生面積拡大 Jブルークレジットの購入申込者を公募開始

神奈川県横須賀市は1月14日、漁業協同組合と協力し、長井沖で取り組む藻場の造成活動により創出されたJブルークレジットについて、購入申込者の公募を開始した。

申し込み期間は、1月14日〜2月26日。購入金額は1口55,000円(税込)。1口で渡せるCO2吸収量は購入者の数によって変動する。購入は先着20口までで、20口に達した時点で、途中で締め切りとなる。なお、購入証書が発行される予定だ。

造成活動で再生した藻場のCO2吸収量2t

造成活動で再生した藻場(面積:約6,800m2)のCO2吸収量2tが、認証機関のジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE/神奈川県横須賀市)からJブルークレジットとして認められたことによるもの。

CO2吸収量2トンは、ガソリン車から電気自動車(EV)へ乗り換えた際の1台分の年間のCO2排出量や、一般家庭の電力使用量により生じる1世帯分の年間CO2排出量に相当するという。

昨年より藻場の再生面積とCO2吸収量が拡大

横須賀市では、藻場が喪失する「磯焼け」の対策として、長井沖で藻場の造成活動を行っている。2023年度は、藻場約2,400m2で回復が確認され、この藻場についてJBEからCO2吸収量0.6トンがJブルークレジットとして認められ、購入申込者の公募を実施した。

今回、この活動海域における藻場の面積が、約2,400m2から約6,800m2へ、昨年よりさらに拡大していることが確認された。

長井沖では、1990年頃は、豊かな藻場が広がり漁業が盛んで、この地域のサザエの漁獲量は県内1位だった。しかし、2012年頃から磯焼けが進行し、漁獲量は低下、生育は悪化した。そこで、漁業協同組合を中心に、豊かな海を再生に取り組んできた。その特徴として、民間企業との実証実験等を通じて、各地点の特徴に合わせた多角的な対策により藻場を造成、また、地域の学校、研究機関、行政などが連携しながら様々な取り組みを実施していること等があげられている。

保全エリア(出所:横須賀市)
保全エリア(出所:横須賀市)

19プロジェクトがJブルークレジットを認証

JBEは1月10日、2024年度第2回目として、横須賀市のプロジェクト「横須賀みんなの海プロジェクト~海の幸を守る、育む、つなげる~」を含む、計19プロジェクトの実施について、Jブルークレジットを認証・発行した。また、その購入申込者の公募を開始した。

横須賀市のプロジェクトのほか、「循環型藻場造成『積丹方式』によるウニ増殖サイクルとブルーカーボン創出」や「全国一のモズク産地 沖縄県うるま市で挑む、天然採苗と海草保全による未来の漁業」のプロジェクトが、Jブルークレジットの認証を取得している。

Jブルークレジットとは

山やみどりがCO2を吸収するのと同様に、海中の藻類等もCO2を吸収することから、「ブルーカーボン」と呼ばれ、地球温暖化対策として注目されている。Jブルークレジットとは、このブルーカーボンのCO2吸収量を貨幣換算したもの。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/1eb605b1-57e4-4677-bda7-97d00e19ecd7

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. CNaught、OpenAIと提携し自動カーボンオフセットを実現

  2. Isometric が Pachama と提携し、森林再生クレジットのデジタル検証を実施

  3. オムロン、製品サプライチェーンのカーボンフットプリント(CFP)の可視化を目指し、実証実験

  4. キリンら8社、資源源循環推進へ努力する企業が報われる仕組みづくりを提言

  5. 炭素市場はベトナムに数億ドルをもたらす可能性がある

  6. コーヒー粕をペレット化し燃料に利用 廃棄物とCO2を同時に削減

  7. クール・プラネット・テクノロジーズ、炭素回収技術の拡大に向け2,370万ユーロを確保

  8. 建設機械の稼働を可視化し、CO2排出量を高精度で算出 飛鳥建設が開発

  9. 農畜産残渣の有効活用によるカーボンクレジット創出事業への参画について

  10. 環境省、地方版「資源循環自治体フォーラム」開催へ 名古屋市など6地域

  11. 「ナラ枯れ」で分解長期化、森林CO2放出評価に新たな視点 東北大が解明

  12. ちふれHD、川越第5工場屋上に太陽光設置 CO2年間約25t削減

  1. カーボンフットプリントとは|用語集・意味

  2. ボランタリークレジットとは|用語集・意味

  3. 大阪ガス脱炭素社会の実現へ 研究拠点を大阪に開設 二酸化炭素の年間排出量1000万トン削減目標

  4. 持続可能なファイナンス (Sustainable Finance)|用語集・意味

  5. “現代のゴールドラッシュ”とも言われる動きを取材しました。また、日本では、空気中の二酸化炭素を取り除く技術の開発が始まっています。

  6. 脱炭素社会で「カーボンクレジット」が注目されています。

  7. 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)とは|用語集・意味

  8. 削減ポテンシャル (Reduction Potential)|用語集・意味

  9. 【財務省】新国債「GX経済移行債」の入札実施 世界初の政府による「移行債」

  10. 温室効果ガス (Greenhouse Gas, GHG)|用語集・意味

  11. クリーン開発メカニズム (Clean Development Mechanism, CDM)|用語集・意味

  12. カーボンオフセット (Carbon Offset)|用語集・意味

  1. カーボンフットプリント (Carbon Footprint)|用語集・意味

  2. 持続可能な開発 (Sustainable Development)|用語集・意味

  3. 脱炭素社会で「カーボンクレジット」が注目されています。

  4. 認証排出削減量 (Certified Emission Reductions, CER)|用語集・意味

  5. 大阪ガス脱炭素社会の実現へ 研究拠点を大阪に開設 二酸化炭素の年間排出量1000万トン削減目標

  6. 再生可能エネルギー証書 (Renewable Energy Certificate, REC)|用語集・意味

  7. 【超入門】世界の一流企業が本気で買い求める「カーボンクレジット」って何?(Apple/ディズニー/マイクロソフト/脱炭素/気候変動)

  8. ベースライン (Baseline)|用語集・意味

  9. 炭素証書 (Carbon Certificate)|用語集・意味

  10. 炭素市場インフラ (Carbon Market Infrastructure)|用語集・意味

  11. 排出権取引 (Emissions Trading)|用語集・意味

  12. 【気候変動と脱炭素ビジネス②】日本の課題はトヨタと原子力発電所