JCM指定実施機関「JCMA」発足、事務のワンストップ化でJCMを促進へ

環境省は4月24日、二国間クレジット制度(JCM)に関する事務を一元的に担うJCM指定実施機関「JCM Agency(JCMA)」の発足式について内容をまとめ報告した。

同月4日に開催された発足式には、浅尾 慶一郎環境大臣や関係省庁代表者が列席。JCMパートナー国からのビデオメッセージの放映なども行われた。

事務のワンストップ化による効率化・迅速化

JCMAは、改正地球温暖化対策推進法に基づき、JCMに関する日本政府指定実施機関として、公益財団法人地球環境センター(大阪府大阪市)が指定され、4月1日に発足した。

地球環境センターは、環境省が経済産業省、農林水産省と共に、JCMAとして申請があった団体に対して、法に定める要件に照らした結果、選定された。

JCMAは、プロジェクト登録からクレジット発行までのJCMの制度運営やパートナー国との調整等に関する主務大臣(環境大臣・経済産業大臣・農林水産大臣)の事務を担うとともに、効率的なプロジェクト実施のための取り組みを行っていく。

JCMA設立の有用性として、「法律に基づく政府同等の権限を持つ機関が多数の国と同時に調整可能」「クレジット発行までの事務のワンストップ化による効率化・迅速化」「政府職員のリソースの重点配分」の3つを挙げた。

JCMAの活動内容は次の通り。

  • JCMの制度運営(パートナー国との調整含む)
  • 国際協力排出削減量口座簿(JCM登録簿)の運営
  • JCMプロジェクトの手続支援及び管理プラットフォームの運営
  • 情報発信ウェブサイトの管理
  • 案件組成のための相談対応および広報活動

JCMAは4月10日、環境省などと取りまとめた資料「二国間クレジット制度(JCM)の概要と最新動向」をJCMAのウェブサイトに掲載している。

発足式でのスピーチ概要

浅尾環境大臣と関係省庁は、JCMAの発足により、さらにJCMを活用した排出削減・吸収への取組が加速していくことへの期待と、環境省・関係省庁としてもJCMAとともにJCMの促進に取り組んでいく決意などを述べた。

JCMA事務局長の水野 勇史氏と制度運営グループ 課長代理の山口 薫氏からは、JCMAより、主体的に活動を行う旨や民間投資の促進を促進できるようなJCMの手続円滑化を目指すといった経営方針や地球温暖化対策に向けてJCMの実施を加速化させていくと表明した。

フィリピン、タイ、ベトナムのパートナー国からは、JCMが各国の低炭素・ネットゼロの実現に向けて貢献していること、また、JCMAの発足を歓迎するなどのビデオメッセージが寄せられた。

【参考】
環境省―JCM指定実施機関「JCM Agency(JCMA)」の発足式を開催しました

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/024c6450-1f59-483c-b86c-aca7c46637ba

最新情報

最新情報
関連用語
関連動画
  1. CEEZER がリアルタイム MRV データで炭素市場の透明性を向上

  2. オムロン、製品サプライチェーンのカーボンフットプリント(CFP)の可視化を目指し、実証実験

  3. 日本郵船、DACCSによるCO2除去クレジット付き船舶燃料を導入

  4. 温暖化対応品種の研究促進へ 京大・近大発のスタートアップが40億円調達

  5. 株式会社TOWING 、カーボンクレジットの予約販売・創出に関するビジネスモデル特許を国内登録完了、海外登録に向けた活動に移行

  6. ディープスカイ、マイクロソフトとカナダロイヤル銀行に1万の炭素除去クレジットを販売

  7. マイクロソフトとRe.Greenがアマゾンと大西洋岸森林再生に関する2番目の契約を締結

  8. オーストラリア、2025年から企業に気候影響の開示を義務化

  9. 都の「GX関連外国企業進出支援事業」、2024年度は7社を選出

  10. 鴻池運輸、イオン店舗配送用にEVトラック導入 CO2削減が狙い

  11. アーバー、マイクロソフトと提携し25,000トンの炭素除去を実現

  12. トラフィグラ、炭素クレジット市場の復活に6億ドルを投じる

  1. 【気候変動と脱炭素ビジネス②】日本の課題はトヨタと原子力発電所

  2. カーボンクレジット市場の包括ガイド~基本概念から投資戦略まで~

  3. 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)とは|用語集・意味

  4. 直接空気回収技術(DAC)とは|用語集・意味

  5. 脱炭素社会実現へ、公明がポイント還元制度など首相に提言

  6. 排出削減 (Emission Reduction)|用語集・意味

  7. 【政府】2040年に向け脱炭素化など国家戦略策定へ

  8. クリーン開発メカニズム (Clean Development Mechanism, CDM)|用語集・意味

  9. カーボンニュートラル (Carbon Neutral)|用語集・意味

  10. 炭素証書 (Carbon Certificate)|用語集・意味

  11. ゴールドスタンダード認証温室効果ガス削減プロジェクト(Gold Standard Voluntary Emission Reduction, GS VER)|用語集・意味

  12. カーボンフットプリントとは|用語集・意味

  1. 大阪ガス脱炭素社会の実現へ 研究拠点を大阪に開設 二酸化炭素の年間排出量1000万トン削減目標

  2. 【気候変動と脱炭素ビジネス②】日本の課題はトヨタと原子力発電所

  3. 再生可能エネルギー証書 (Renewable Energy Certificate, REC)|用語集・意味

  4. “現代のゴールドラッシュ”とも言われる動きを取材しました。また、日本では、空気中の二酸化炭素を取り除く技術の開発が始まっています。

  5. ブルーカーボンとは|用語集・意味

  6. ボランタリークレジットとは|用語集・意味

  7. 持続可能な開発 (Sustainable Development)|用語集・意味

  8. 脱炭素社会実現へ、公明がポイント還元制度など首相に提言

  9. CCU(Carbon Dioxide Capture and Utilization)とは|用語集・意味

  10. クリーン開発メカニズム (Clean Development Mechanism, CDM)|用語集・意味

  11. バイオマスとは|用語集・意味

  12. 排出削減単位 (Emission Reduction Unit, ERU)|用語集・意味