名古屋大学発のスタートアップ企業として高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」の開発を手がけるTOWING(愛知県名古屋市)は12月5日、メキシコでバイオ炭による土壌改良と農業生産性向上を目的とした実証実験を開始したことを明らかにした。
短期間で土壌改良できるかを検証
メキシコは現在、土壌劣化や農業生産性の低下という課題を抱えている。原因としては化学肥料による影響が考えられるという。今回の実証では、化学肥料の代替として宙炭を用いることで、短期間での土壌改良や土壌への炭素貯留による脱炭素化を目指す。
実証は11月からすでに始まっており、リーフレタスとおよびヘッドレタスを対象にバイオ炭が散布された。2025年2月には収穫できる見込みで、終わり次第すぐに収量および土壌の変化を分析する予定だ。
なお、この取り組みには、長瀬産業(東京都千代田区)と米自動車部品メーカーYazaki North Americaも参画し、実証をサポートする。
バイオ炭量産化に向けて検証を開始
宙炭は、TOWING独自の土壌微生物培養技術を応用し、地域の農業残渣や食品加工残渣など未利用バイオマスの炭化物、いわゆるバイオ炭を農業用に製品化した土壌改良材。作物の品質や収穫量向上に加え、GHG排出量削減が期待できる。
2024年10月には、東邦ガス(愛知県名古屋市)らの協力を得て、豊橋市中島処理場内に同社プラントを建設。宙炭の量産に向けた検証を開始した。今後は宙炭の量産設備や工程を最適化するとともに、量産プラントを全国に展開していく。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/2e90f71c-621f-4531-a439-16c1293b26bc