CCS事業法の試掘規定、11月18日施行 環境省は自然環境保全法等を改正

政府は10月29日、5月に成立したCCS事業法(二酸化炭素の貯留事業に関する法律)の一部である試掘・貯留事業に関する規定について、施行期日を2024年11月18日と定めるとともに、所要の措置を定める政令を閣議決定した。

8月施行の探査規定に続き、試掘規定を整備

CCS事業法は、民間事業者がCO2を分離・回収し地中などに貯留するCCS事業を開始するための事業環境を、2030年までに整備することを目的としている。5月に公布した後、3段階に分かれて施行するもので、探査に関する規定は8月に施行した。今回、試掘・貯留事業に関する規定を施行する。

試掘・貯留事業については許可制度を創設し、経済産業大臣が、貯留層が存在する可能性がある区域を「特定区域」として指定した上で、特定区域において試掘やCO2の貯留事業を行う者を公募・選定し、試掘の許可を与えることなどを規定した。

環境省は海底試掘に対応する関係法制を改正

CCS事業法の一部の施行を踏まえ、環境省は10月29日、CCS事業法に規定する試掘のための海底の掘削を、自然環境保全法に基づく特定行為として追加するため、自然環境保全法施行令を改正すると発表した。あわせて、この自然環境保全法施行令の改正に伴い、その行為の許可基準等を定めるため、自然環境保全法施行規則を改正する。これらの改正も11月18日に施行する。

環境省は、改正省令案の概要に対して意見募集(パブリックコメント)を実施したが、寄せられた意見はなかった。

政令と省令の概要は以下の通り。

政令の概要(沖合海底自然環境保全地域における特定行為の追加)

自然環境保全法において、沖合海底自然環境保全地域のうち、沖合海底特別地区内においては、鉱物の掘採などの特定行為は、環境大臣の許可を受けなければしてはならないと規定されている。また、沖合海底特別地区に含まれない区域において特定行為をしようとする者は、あらかじめ環境大臣に届け出なければならないと規定されている。

今般、CCS事業法に規定された貯留層の試掘のための海底の掘削を、沖合海底自然環境保全地域における特定行為のうち政令で定めるものとして、自然環境保全法施行令により規定する。

省令の概要(沖合海底自然環境保全地域における特定行為の許可基準を規定)

今般追加する特定行為の許可基準等を以下のとおり規定する。

沖合海底特別地区内においてCCS事業法に規定する試掘のための海底の掘削を行うことに関する許可申請書の記載事項
  • 特定行為を行う海底の区域及びその周辺の海域における当該特定行為の自然環境に及ぼす影響の監視に関する計画
沖合海底特別地区内においてCCS事業法に規定する試掘のための海底の掘削を行うことに関する許可基準

次のいずれにも該当すること。

  • 申請に係る場所以外の場所においてはその目的を達成することができないと認められること
  • 当該特定行為を行う者が、当該特定行為の自然環境に及ぼす影響の監視を継続的に実施できると認められる計画を有すること
  • 当該特定行為に伴う海底の形質の変更が、行為を行う海底の区域及びその周辺の海域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないこと。
沖合海底自然環境保全地域の区域のうち沖合海底特別地区に含まれない区域内においてCCS事業法に規定する試掘のための海底の掘削を行うことに関する届出書の記載事項
  • 自然環境に及ぼす影響と、特定行為を行う海底の区域及びその周辺の海域における当該特定行為の自然環境に及ぼす影響の監視に関する計画

CCS事業法の試掘に関する規定は11月18日施行

政府は、今回、CCS事業法の一部(試掘に関する規定)の施行期日を定める政令のほか、CCS事業法で規定する試掘権の登録に関する政令、CCS事業法の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令を閣議決定した。

CCS事業法で規定する試掘権の登録に関する政令では、政令委任事項としている試掘権の登録に関する内容や手続等を具体的に定める。またCCS事業法における試掘に関する規定の施行に伴い、「二酸化炭素の貯留事業に関する法律第五条第一項第二号ニの法人を定める政令」に鉱業法の採掘権者による許可申請の特例に係る鉱物(石油と可燃性天然ガス)、土地の立入りによる損失補償に係る収用委員会への裁決の申請手続及び国に納付する手数料の額に係る規定を加え、題名を「二酸化炭素の貯留事業に関する法律施行令」に改正する。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/499a6f6e-a3bd-495a-8ea4-59d86d1b5259

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