三菱UFJ銀など4社、衛星データ活用したGHG排出量可視化サービスで連携

三菱UFJ銀行(東京都千代田区)は11月11日、三菱電機(同)、衛星データサービス企画(SDS/同・千代田区)、カナダのGHGSatと、衛星データを利用したGHG排出量の可視化に関するパートナーシップ契約を締結したと発表した。

衛星が観測した世界中のGHG排出量のデータから、観測対象ごとにモニタリングし、分析した情報を、企業と自治体向けに提供するサービスの実現を目指す。

衛星による広域観測データとピンポイント観測データを融合

このサービスでは、三菱電機が開発に携わったGHG観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)シリーズの広域にわたる観測データと、GHGSatが持つ衛星「コンステレーション」によるGHGガスの発生源のピンポイント観測データを融合し、個別企業によるGHGの排出量を可視化する。

また、平時にはGHGの排出量をモニタリングし、パイプラインのガス漏れ検知時などの有事には異変を迅速に通知し、事故を防ぐ。このサービ スを利用するユーザーは、自社の企業活動による環境への影響を把握し、GHG削減に向けた具体的な目標設定や効率的な進捗管理を行うことで、サステナビリティを高めることが可能となる。

(出所:三菱UFJ銀行など)

(出所:三菱UFJ銀行など)

パートナーシップにおける各社の役割

今回の取り組みにおいて、三菱UFJ銀行は、サステナビリティ実現に向けた金融機関の立場からの助言や、多様なステークホルダーとの対話やエンゲージメントを通じた国際提言などを担う。三菱電機は、GOSATシリーズ衛星やセンサー開発の知見を活かした観測データ融合、ガス排出量の可視化サービス創出と実証を検討する。

衛星データサービス企画は、三菱電機、スカパーJSAT、日本工営、リモート・センシング技術センターなど6社が、国土・インフラ管理や、災害時の迅速な状況把握など、幅広く適用できる衛星データ解析情報を提供するサービスの事業化に向けて、2021年に設立された。今回の取り組みでは、衛星データサービスの知見を活かした、データプラットフォーム構築、ユーザー拡大、実証の推進などを担う。

衛星データサービス企画は11月11日、三菱UFJフィナンシャル・グループが主契約者として採択された宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「衛星データによる森林カーボンクレジット算定に関する実証業務」に、三菱電機らとともに参画することも発表している。

GHGSatは、GHG排出量のモニタリングを行うカナダのベンチャー企業。同社の衛星「コンステレーション」は、産業施設のGHG排出量の測定を行い、発生源をピンポイントで特定することができる。今回の取り組みでは、高解像度の衛星画像による施設単位でのGHG排出量の観測と、観測情報の更新(1日1回)を担う。

気候変動対策の一環として注目

今回、4社が提供を目指すサービスは、気候変動対策の一環として注目される。今後、4社はサービスの提供を通じて、企業のCSR(社会的責任)活動やSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を支援するとともに、環境負荷の低減や産業界全体の意識改革の促進を目指す。

なお、4社は、この取り組みを周知するため、11月11日~22日に、アゼルバイジャン・バクーで開催されるCOP29(第29回国連気候変動枠組条約締約国会議)にて紹介する予定。

GHG排出量を把握、対策を検討へ

2023年に開催されたCOP28では、パリ協定の目標達成に向けた世界全体の進捗を評価するグローバル・ストックテイクの実施が初めて採択され、企業や政府が自らのGHG排出量を明確に把握する必要性が高まった。GHGの削減を目指す国際的な取り組みが加速する中、各国は積極的な対策を講じ、エネルギー転換、再生可能エネルギーの導入、エネルギー効率の改善など、具体的な対策が求められている。

一方、GHGの削減に向けた取り組みは、経済性の両立など様々な課題が存在する。特に産業界では、低炭素技術への転換や再生可能エネルギーの普及など、長期的な視点に立った計画が必要となる。これらの企業活動には、客観的・中立的・トレーサブルなデータが求められている。また、サステナビリティの重要性が高まる中、ステークホルダーとの対話においても、透明性のある衛星データは高いポテンシャルを有している。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/a017fd0b-5d17-4af2-9d72-347df9495a90

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