Sustech(サステック/東京都港区)は12月13日、北海道小樽市、北洋銀行(北海道札幌市)と、小樽市域の地域脱炭素社会の実現に向けた連携協定書を締結したと発表した。
北洋銀行のネットワークと、サステックのクラウド型脱炭素化支援プラットフォーム「CARBONIX」を活用した協業により、小樽市内企業に対して温室効果ガス(GHG)排出量の可視化など脱炭素化の取り組みを支援していく。
カーボンニュートラル戦略策定を支援
「CARBONIX」では、GHG排出量を自動算定や可視化して、カーボンニュートラル戦略策定につながる基盤を作ることができる。北洋銀行は、市内企業へ「CARBONIX」を提供し、その導入を支援する。サステックは小樽市のGHG排出量削減に関する普及啓発向けた取り組みに協力するほか、施策検討で協業する。
地域企業の脱炭素化支援で広がる連携
リソースや資金の課題を抱える中小企業が気候変動対策に取り組みやすい環境を整えるため、地方自治体と金融機関が連携し支援体制を充実させることが求められている。例えば、サステックのほか、ゼロボード(東京都港区)、アスエネ(同)、e-dash(同)など、GHG排出量算定ツールを有する事業者と、地方自治体と金融機関が連携して、中小企業の脱炭素化を支援する取り組みが拡大しており、日本商工会議所(同)でも、こうした事業者と提携し、各地商工会議所から会員の中小企業に対してツール導入を支援する取り組みを開始している。
2021年に「ゼロカーボンシティ小樽市」を表明
小樽市は2021年5月に、2050年までにCO2排出量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ小樽市」を表明した。「小樽市温暖化対策推進実行計画【区域施策編】」(2023年9月策定)に基づき、脱炭素社会の実現に向けて多様な取り組みを推進している。
脱炭素化の実現へ包括的なソリューションを提供
脱炭素化支援プラットフォーム「CARBONIX」は、企業のGHG排出量算定をクラウド上で行うことができる脱炭素化支援プラットフォーム。GHG排出量算定には企業活動とサプライチェーン全体における膨大なデータの収集・分析が必要になるが、「CARBONIX」の活用によってTCFD提言に則したGHG排出量の算定、排出量削減目標の設計から進捗管理まで、一気通貫で行うことが可能となる。
サステックは、「CARBONIX」や分散型電力運用プラットフォーム「ELIC」など、カーボンニュートラル化を実現する包括的なソリューションを提供している。
TOPPAN(東京都文京区)は4月、同社のCO2排出量算定クラウドサービスが、「CARBONIX」との連携を開始し、入力や情報管理業務の効率化を図ると発表した。日本ガイシ(愛知県名古屋市)は10月、Sustechと、蓄電所ファンド設立の検討を開始したことを発表した。この取り組みでは、Sustechの「ELIC」を活用し、運用による収益の最大化を図ることとしている。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/238cb776-ce17-4d51-b6e8-3537cf27a875