三井住友建設、産業副産物が原料の地盤改良材で掘削土改良 CO2排出も半減

三井住友建設(東京都中央区)は5月21日、産業副産物を原料とする地盤改良材「サスティンGeo®」を、建築物の場所打ち杭の施工で発生する掘削土の改良に初めて適用したと発表した。従来使用されているセメントと石灰を混合した固化材と同等に、掘削土のぬかるみ化が改善されるとともに、CO2排出量50%の削減効果によりスコープ3(カテゴリ5)を低減する。

水分を多く含む掘削土を、運搬しやすい状態に改良

場所打ち杭工法では、地盤に孔を開ける際に掘削土が排出される。地下水位が高い場合、この掘削土の水分が多く含まれるため、そのままダンプトラックに積載・運搬すると泥水が漏れて公道を汚すことがある。そのため、一般的には、セメントと石灰を混合した固化材などを用いて掘削土を改良することが多い。こうしたセメント系固化材はCO2排出量が多く、また土の種類によって六価クロムを溶出することがある。

今回、固化材の代替として使用した「サスティンGeo」は、セメントを使用せずに産業副産物を活用し環境負荷を低減する材料で、こうした問題点を解決する。

同材料には、目的に応じて材料を最適に配合した100型(CO2排出量:40〜60%削減、浅層~深層の地盤改良用)と200型(同:50%削減、土の含水状態の改善・浅層の地盤改良用)があり、今回は土の含水状態の改善に有効な200型を使用した。

「サスティンGeo」による掘削土の改良の様子(出所:三井住友建設)

「サスティンGeo」による掘削土の改良の様子(出所:三井住友建設)

中層改良や深層改良へも 適用範囲を拡大予定

同社によると、同材料は配合により様々な地盤改良に対応可能だという。浅層改良を対象とする粉体混合方式(開発時の実証試験) に続き、今回は場所打ち杭工事で生じる掘削土の改良に適用したが、今後は中層改良や深層改良へも適用範囲を拡大していく考えだ。

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/cff889ea-7620-4c35-8be4-bd7cb226a8dc

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