環境省は8月8日、カーボンニュートラル(炭素中立)・ネイチャーポジティブ(自然再興)・サーキュラーエコノミー(循環経済)など複数の環境課題に取り組む事業に参加する企業の公募を開始した。採択は3社程度、募集期間は9月16日(17時)まで。
複合的な要素を統合し、モデル的な事例を創出へ
事業の名称は、2025年度「脱炭素実現に向けた統合的取組実装モデル支援事業」。TCFD・TNFDなどのフレームワークを用いて、炭素中立・自然再興・循環経済を統合的に進める企業が対象で、ガバナンスや戦略、リスク管理、指標と目標の高度化の支援を通じて、新たなモデルケースを構築するのが狙い。
環境省が6月に公表した手引き書では、各分野における開示要求に対し、個別対応でなく、それぞれのつながりを意識しながら取り組むことを提唱している。統合的なアプローチは、業務プロセスを改善し、さまざまな環境課題に対して効果的かつ効率的に対応でき、開示実施にもつながるという。
採択企業は、同事業の事務局を務める野村総合研究所(東京都千代田区)の伴走支援を受けながら、統合的なアプローチを行う。具体的には、キックオフを含めた6回の支援面談を通じて、統合的なシナリオ設定やKPI・目標の策定、統合開示ストーリー作成を実施する。環境省は、参加企業のこれまでの取り組み状況やニーズなどに基づき、個別にサポートしていく。
実施スケジュールは以下の通り。
- キックオフ面談:2025年9月29日~10月3日
- 第1回支援面談:2025年10月
- 第2回支援面談:2025年11月
- 第3回支援面談:2025年12月
- 第4回支援面談:2026年1月
- 第5回支援面談:2026年2月中旬
- 成果報告会:2026年3月上旬
実施にあたり、8月26日(14時30分から15時頃まで)には、説明会をオンライン形式で開催する。参加は同省ウェブサイトで申し込める。なお、同日開催の「環境課題の統合的取組と情報開示セミナー」にすでに申し込んでいる場合は、セミナーから説明会に直接参加できる。
【参考】
環境省―「令和7年度脱炭素実現に向けた統合的取組実装モデル支援事業」参加企業の募集について
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/d7cafd72-2d1d-4dc2-85f9-0cea6be9d98f