初のCNP認証 5つの港湾ターミナルの脱炭素化を評価 博多港に最高レベル

国土交通省は9月25日、コンテナターミナルにおける脱炭素化の取り組みレベルを評価する認証制度「CNP認証(コンテナターミナル)」に基づき、5つのターミナルを初認証した。「博多港アイランドシティコンテナターミナル」は最高評価を取得した。

各ターミナルの脱炭素化の進捗を5段階で格付け

「博多港アイランドシティ」の全景(出所:福岡市)

「博多港アイランドシティ」の全景(出所:福岡市)

国交省では、港湾機能の脱炭素化推進や水素・アンモニアなど次世代エネルギーの供給に必要な環境整備を進めるなどカーボンニュートラルポート(CNP)形成に向けた取り組みを支援している。この一環として、6月に新たな認証制度「CNP認証(コンテナターミナル)」の運用を開始した。同制度では、コンテナターミナルごとの脱炭素化に向けた取り組みをレベル1~5の5段階で評価する。

今回発表された格付けは以下の通り。

  • 「博多港アイランドシティコンテナターミナル」:レベル5+
  • 「川崎港コンテナターミナル」:レベル4+
  • 「名古屋港鍋田ふ頭コンテナターミナル」:レベル3++
  • 「大阪港南港コンテナターミナルCー1/4」:レベル2+
  • 「高松港コンテナターミナル」:レベル1

CNP認証のロゴマーク(出所:国土交通省)

CNP認証のロゴマーク(出所:国土交通省)

博多港全体のコンテナ取り扱い量の約6割を担うメインターミナル

最高評価を取得した「博多港アイランドシティコンテナターミナル」は、博多港全体のコンテナ取り扱い量の約6割を担う主要拠点。荷役機器では、インバーター制御方式のガントリークレーン全6基、CO2排出量を大幅に削減できる電動式トランスファークレーン全26基を採用。このほか、ヤード照明のLED化全10基やゲート受付システムを活用したトレーラー待機・渋滞の緩和なども進める。貨物輸送における20ftコンテナ(TEU)当たりのCO2排出量は8kgsCO2/TEU。

ほかターミナルはハイブリッド式のストラドル キャリアなどを導入

「川崎港コンテナターミナル」は、CO2フリー電力や水素換装型トランスファークレーンなどを導入。また、環境負荷低減に向け、構内照明のLED化などを推進している。CO2排出量は5.08kgsCO2/TEU。

「高松港コンテナターミナル」は、インバータ制御方式のガントリークレーンのほか、2028年度にはハイブリッド式のストラドルキャリアを導入する予定。CO2排出量は12.05kgsCO2/TEU。

CNP認証初回認証ターミナルの取得要件と取り組み状況(出所:国土交通省)

CNP認証初回認証ターミナルの取得要件と取り組み状況(出所:国土交通省)

【参考】
国土交通省―CNP認証(コンテナターミナル)の初認証~コンテナターミナルにおける脱炭素化の取組レベルを評価~

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/e249336d-54f4-4752-b8bd-66aa7f57faf0

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