林業ベンチャー企業のソマノベース(和歌山県田辺市)は10月22日、森林レンタルサービス「forenta」を運営するシシガミカンパニー(岐阜県加茂郡)と提携し、新たな森林活用の開発を開始することを発表した。森林の経営効率化や地方への人流増加、さらには環境問題への取り組み促進を目指す。
森林の新たな活用で関係人口の創出へ
今回の協業ではまず、企業所有の社有林を一般利用者向けに開放するとともに、どんぐりから育てた苗木を森に返す「戻り苗」プロジェクトを実施する。森林再生に貢献すると同時に、企業と地域をつなげる機会を創出し、森林体験を通じた集客と収益拡大を図る。
さらに、社員教育や顧客向けイベントの場としての森林利用も計画しており、forentaの森林レンタルによって、企業は自然環境の中での学びや交流の場を確保できる。
環境問題に貢献しつつ地域も活性化
ソマノベースはこれまで、森林空間を活かした研修や教育、森林保全活動の提案などを行ってきた。今回の提携を通じて、より多様な「森林との関わり方」を提供することを目指す。
同社代表の奥川季花氏は「土砂災害を防ぐ森づくりを進めるには業界外部との連携が重要」とし、この取り組みが新たな森林活用のモデルケースとなることに期待を寄せる。
forentaは山林をレンタルするサービスで、キャンプ愛好家などにプライベートな森林空間を提供し、山林所有者には木材生産以外の収入源をもたらしてきた。地方活性化を支援し、都市部の人々にも自然に触れる機会を提供している。
同社代表の田口房国氏は「森林を次世代に引き継げる財産とする」という使命のもと、日常生活の中で自然に触れる機会を提供する「戻り苗」に注力しており、両社の連携によって事業拡大を見込んでいる。
今回の連携によって両社は、森林の経営効率化や地方への人流増加、さらには環境問題への取り組み促進など、地域と自然環境にプラスの影響をもたらすことができるとしている。
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/40d8cb7e-7bdd-4bc1-ad96-8bbef9bf1f91