経済産業省の「GXリーグにおけるサプライチェーンでの取組のあり方に関する研究会」は12月2日、第5回会議を開催し、次期GXリーグの方向性を示した。GXリーグ参画条件に関しては、スコープ3の定量目標設定は求めず、企業自らがコミットする取り組みを選択してもらう方式を採用する。各社が策定した内容と毎年度の取り組み状況は公開を義務付ける方針。
スコープ1・2排出量算定は従来通り、報告と公開を義務付け
- スコープ1・2の排出量の算定に関する事項
- GX需要創出などに係る企業自らがコミットする取り組みに関する事項
の2点を企業に対し要求することを決めた。
スコープ1・2排出量算定では、引き続き2030年度の排出削減目標の設定および進捗状況の報告と公開を義務付ける(排出量取引制度の対象事業者については、移行計画の写し提出による代替可能)。なお、排出量取引制度の開始に伴い、現在GXリーグで実施している自主的な排出量取引については、予定通り2026年度以降は実施しない。
企業がサプライチェーン全体での排出削減を定量的に把握するには、サプライチェーン上の中小企業と連携し、スコープ3排出量を算定する必要がある。一方で、排出量算定は、一次データの収集や算定範囲の違いに起因するデータの比較が難しいなどの技術的課題が残る。そのため、現段階では、次期GXリーグへの参加条件に、スコープ3排出量に関する一律の定量削減目標は求めないこととした。
その代替案として、次期GXリーグでは、企業は、2030年までに企業自らがコミットする具体的な取り組みを、同リーグが提示する以下の3つの類型(ABC)の中から、2つ以上の取り組みを選択することを要件とする。
A(GX製品・サービスの需要創出)
GX率先実行宣言の実施やGX製品・サービスの調達・販売の積極的な取扱いなどを具体的な取り組みに定める。
B(サプライヤーとの協業の強化)
サプライチェーン上、取引関係のある大企業がサプライヤーである中小企業と協力し、スコープ3やCFPの算定・削減計画を策定することや、サプライヤーである中小企業への人的・技術的支援をしていることなどを具体的な取り組み内容とする。
C(ファイナンス面の取り組み)
金融機関によるサステナブルファイナンスなどの実施や金融機関などの支援機関によるエンゲージメントの実施を条件とし、金融機関が企業を評価する仕組みの構築を図る。
企業がコミットする内容は、次期GXリーグのウェブサイトで公表する。また、同省は企業の優れた取り組みを可視化し、広く共有するとしている。
取り組み状況のフォローアップに関しては、温対法に基づく温室効果ガス算定・報告・公表制度(SHK制度)ですでに任意報告の枠組みがあることから、スコープ1・2排出量の報告とともに、SHK制度の任意報告でコミットメントに基づく取り組み状況の報告を求めることとする。
インセンティブ付与で中小企業のGXリーグ参画を後押し
中小企業においては、GXに積極的な企業であったとしても、GX需要創出に関する取り組みでコミットすることが難しいケースも想定される。そのため、中小企業はに対しては、GXに関連する補助金や委託事業の審査にあたり、加点インセンティブを付与する方針。
GX需要創出に向け、効果的施策を順次展開
GX推進に向けては、排出量取引制度の実施と併せ、GX需要創出などに挑戦する企業の積極的な支援が不可欠である。
政府は今後、GX需要創出に取り組む企業の評価向上とGX製品・サービスの付加価値向上やサプライチェーンでの排出削減、金融・投資家からの評価向上に向け、関係省庁と連携して効果的な施策を検討し、順次展開していく。
【参考】
経済産業省―第5回 GXリーグにおけるサプライチェーンでの取組のあり方に関する研究会
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/fdc16369-3e51-4755-b755-229bd3ae39e6