マレーシア・クアラルンプールを訪問中の高市 早苗総理は10月26日(現地時間)、日・ASEAN首脳会議、第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合に出席した。就任後、初めての外遊となった。
アクションプランに沿って行動の加速を

ASEAN首相との写真撮影(出所:首相官邸)
日・ASEAN首脳会議において、高市首相は、2023年の日本ASEAN友好協力50周年の共同ビジョン声明で打ち出した3本柱に沿った協力の進展を、ASEAN首脳と共有した。このうち未来の経済・社会共創に関して、日本は新たに「日ASEAN・AI共創イニシアティブ」の立ち上げを提案。安全かつ安心で信頼できるAIエコシステムを共に構築し、AIま量子、半導体などの最先端分野で、国際共同研究や研究者の交流を強化していく方針を示した。
AZEC首脳会合では、1年でAZECパートナー国と約120件の協力案件を締結したことを紹介するとともに、アジアの脱炭素化に資する活動を促進するルールの形成やセクターごとのイニシアティブ、官民一体の個別プロジェクトなどの進展に言及した。高市首相とともに、共同議長を務めたマレーシアのアンワル首相は、各国の取り組みに触れ、具体的な協力案件のさらなる進捗への期待を表明した。
閣僚会合には、日本からアスエネも参加
また、AZEC首脳会合に合わせて、10月17日に開催した閣僚会合には、アジア各国の閣僚・企業が参加し、脱炭素とエネルギー転換の連携強化に関する議論を行った。
参加企業の1社であるアスエネ(東京都港区)は10月27日、閣僚会合において、海外現地法人であるASUENE APACが、マレーシアゴム評議会と、脱炭素連携に関する覚書(MOU)を締結したと発表。今後は、マレーシアの主要輸出産業であるゴム分野のサプライチェーン全体において、CO2排出量の見える化と削減を後押ししていく。

(出所:アスエネ)
AZECは、域内のカーボンニュートラル/ネット・ゼロ排出に向けた協力のための枠組み。各国の事情を踏まえた多様な道筋の下、気候変動への対処や包摂的な経済成長の促進、エネルギー安全保障の確保を同時に実現する「トリプル・ブレークスルー」達成を原則とする。日本政府主導の下、日本含むアジア太平洋の11カ国が参加している。
【参考】
外務省―第28回 日ASEAN首脳会議
外務省―第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/2e4c7f91-f96b-4c98-b6ac-484498bd9385