JERA(東京都中央区)とJR中央線コミュニティデザイン(同・小金井市)は7月24日、新たなCO2フリー電力モデルの構築に向けた取り組みを発表した。JERAの太陽光発電所由来の環境価値をJR中央線コミュニティデザインの需要先に供給し、使用電力と環境価値をアワリーマッチングさせて可視化する。さらに「Point24/7」技術を活用し、テナントビル内の一部を24/7カーボンフリー電力化する実証も行う。
バーチャルPPAで環境価値のみをアワリーマッチング
両社はバーチャルPPAを8月1日より開始し、JERAが開発する茨城県東茨城郡の太陽光発電所(約50kW)による環境価値を、子会社のJERA Cross(東京都中央区)を通じて、JR中央線コミュニティデザインが所有する各需要先へ供給。時間当たりの消費電力と環境価値を一致させるアワリーマッチングを行い、可視化する取り組みを行う。
環境価値を供給する対象施設は、JR中央線コミュニティデザインの本社オフィス、中央線ビアワークス(ビール醸造所/同・小金井市)、JR八王子駅直結のショッピングモール「セレオ八王子」(同・八王子市)の北口第2駐車場。

スキーム図(出所:JERA)
JERA Crossの「Point24/7」実証も
対象となる本社オフィスはテナントビルの一画にあるが、JERA Crossが提供する「Point24/7」と組み合わせることで、テナントビルの一部区画であっても、電力需給契約を変更することなく24/7カーボンフリー電力化する実証も行う。
「Point24/7」は、電力の供給地点をより細分化して電力需要の検出・予測し、必要な量のカーボンフリー電力を供給する最適化制御技術で、JERA Crossが特許を取得。なお、「Point24/7」の社会実装は世界初の試みとなる。

Point24/7のイメージ図(出所:JERA)
地産ホップを育成・醸造した地ビールを提供する「CHŪŌ LINE BEER WORKS」
この取り組みの対象施設の一つとなる「中央線ビアワークス(CHŪŌ LINE BEER WORKS)」は、2025年7月15日に一般の顧客に向けオープンしたクラフトビール醸造所。JR中央線の東小金井駅・武蔵小金井駅間高架下に立地する。JR東日本の元駅員がブルワー(醸造家)として、地域の魅力を発信する商品開発に取り組む。クラフトビールの原料の一つであるホップを、JR中央線・南武線の各駅など合計11か所(車両センター、ショッピングセンター含む)で駅員や社員自身が栽培する。醸造所に併設するタップルームでは、ここで醸造されたクラフトビールのほか、ゲストビールとして多摩エリアを中心とした個性豊かなクラフトビールも提供する。

環境価値が供給される施設の一つである中央線ビアワークス(出所:JERA)
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/f11b75bb-90b5-4270-a3aa-b0e1989d0354