NTTドコモビジネス(旧 NTTコミュニケーションズ/東京都千代田区)は7月16日、デロイト トーマツ コンサルティング(同)、ユニ・チャーム(同・港区)と共同で、経済産業省が主導する「GXリーグ」の枠組みにおいて、脱炭素社会の実現と持続可能な経済活動の両立を目指す新たなワーキング・グループ(WG)を設立したと発表した。中間排出事業者が連携し、実態に即した共通課題の整理と解決に向けた仕組みづくりを進めていく。
グリーン市場創造・データ流通の在り方を検討する
脱炭素社会の実現に向けては、環境に配慮した商品やサービスの価値が適切に評価され、選ばれる仕組みが整備された適切な市場が不可欠となるが、現状では、環境価値の表示手法や信頼性の担保、生活者への訴求方法などに関する明確な基準や共通の枠組みはなく、企業単独による対応は難しい状況にあるという。
こうした課題を受け、3社は今回、「中間排出事業者を通じたグリーン市場創造検討WG」を立ち上げる。
同WGでは、消費財をはじめとする軽工業が中心となり、グリーン市場の形成と健全な経済活動の両立に向けた課題を抽出し、対応策を検討する。具体的には、GX推進のカギを握る「製品単位での環境価値」の定義付けと可視化を行い、消費者への適切な訴求方法と、それらを支える第三者による信頼性確保の仕組みを考察する。
また、同WGの下に、「データ流通の在り方検討サブ・ワーキング・グループ(SWG)」を設置し、軽工業分野におけるサプライヤーとメーカー間の一次データ連携の実現可能性についても検討していく。
NTTドコモビジネスは、SWGのリーダーを務め、SWG内の論点整理や成果をとりまとめる。ユニ・チャームは、同WGの幹事企業として、事業活動において培ってきた排出削減や環境価値の可視化などのGXに関する実績を基に、WG全体の進行・運営を担当する。デロイト トーマツは、サステナビリティやGXに関する知見や多様な企業支援の実績を活かし、WGおよびSWGにおける議論の設計・推進を担う。
CN移行を積極的に進める企業が集結しGX推進
GXリーグは、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現と社会変革を見据えて、GX推進を加速させる企業が同様の志を持つ企業群や官・学と共に協働する場として、2023年に経済産業省が設立した。2024年3月時点で、747者が参画している。
参加企業は、技術革新や持続可能なビジネスモデルの構築、環境を考慮した新市場の開拓などを自らが率先して推進するとともに、関係者と協力しながら、カーボンニュートラルへの移行を目指している。
3社は今後、業種や企業規模を問わず、WG・SWGの趣旨に賛同する企業・団体の参加を広く募るという。この取り組みを産業界全体で展開させ、より持続可能かつ実効性の高い仕組みの構築を目指す。
【参考】
経済産業省―GXリーグに2024年度から新たに179者が参画し、合計747者となります
【引用】
環境ビジネス. https://www.kankyo-business.jp/news/2edc34c4-7bef-4b3b-8959-87c2e0352a51