横浜銀行、横浜港の脱炭素化サステナブルファイナンス第1号 地元企業に融資

横浜銀行(神奈川県横浜市)は8月13日、上野グループホールディングス(上野グループHD/同)と、「横浜港カーボンニュートラルポート(CNP)サステナブルファイナンス・フレームワーク」を活用したグリーンローンに関する融資契約を締結したと発表した。上野グループHDは、調達資金を本社ビルの省エネ化や再エネ導入費用に充当する。

横浜港の脱炭素化に資する取り組みを行う企業や団体に融資

この融資は、横浜港港湾脱炭素化推進計画の対象範囲において、同フレームワークに定める適格プロジェクトを実施する事業者などが利用できるもので、グリーンローンやブルーローン、エネルギー転換など、長期的な戦略に則り脱炭素社会への移行を促進するトランジションローンに役立てられる。

使途は、適格プロジェクト向け投資の一部または全部(融資額の全額を充当)に充当するか、3年以内に実施された適格プロジェクト向け資金調達のリファイナンス資金として充当することが条件となる。

横浜銀行にとって同フレームワークを活用した第1号案件となると共に、地元企業が同フレームワークを活用し融資を受ける初めての事例となる。

「横浜港CNPサステナブルファイナンス・フレームワーク」の概要(出所:横浜銀行)

「横浜港CNPサステナブルファイナンス・フレームワーク」の概要(出所:横浜銀行)

第三者機関が適合を評価、透明性や信頼性を確保したサステナブルファイナンス

横浜市は2025年3月に、横浜港港湾脱炭素化推進計画を策定した。横浜港におけるカーボンニュートラルポート(CNP)形成に向け、横浜市臨海部における多様な企業・団体による脱炭素投資が必要となる。これを推進するため、「横浜港CNPサステナブルファイナンス・フレームワーク」を策定した。

同フレームワークでは、横浜市臨海部の多様な企業・団体が同計画に基づき実施する脱炭素投資のための資金調達について枠組みを定めている。国際的なグリーンファイナンスの原則(グリーンボンド原則やグリーンローン原則)に準拠し、透明性や信頼性が確保された仕組みで、第三者機関であるDNVビジネス・アシュアランス・ジャパン(DNV)より、国際的な原則などに適合するという外部評価を取得している。

今回の上野グループホールディングスの取り組みは、カーボンニュートラルポートの形成にもつながるものであり、DNVからも同フレームワークに適合する環境課題解決型プロジェクトであるという適合書簡を取得している。

【参考】
横浜市ー横浜港CNP(カーボンニュートラルポート) サステナブルファイナンス・フレームワーク

【引用】
環境ビジネス.  https://www.kankyo-business.jp/news/72e2514a-258d-4f64-9abf-039d7793deef

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